現在、取引の場面における消費者と業者の現実的な力の差からくる消費者側の一方的な
不利益負担の是正を図るため、消費者保護を目的とした様々な法律が規定されています。
そして、そこには、無理由解除を認めるクーリングオフをはじめ、エステ等の継続的サービス提供の契約における中途解約制度のほか、契約にまつわる重要な事項を告げなかった場合の取消権を認める規定等の保護規定が明記されています。
以下の法律は、その代表的なものであります。
・ 特定商取引に関する法律
・ 割賦販売法
・ 消費者契約法
・ 電子消費者契約法
・ 利息制限法
・ 貸金業の規制等に関する法律
・ 製造物責任法
・ 消費者基本法
・ 借地借家法 等々
しかし、いかにそのような消費者を保護するのに強力な規定が設けられている場合で
あっても、手続き的にその権利が行使されたこと自体を証拠として残しておかなければ、
完璧な形での法的措置を施したとはいえません。
実際上、クーリングオフ等の権利行使は強力な面もある分、書面による相手方への通知は、それ自体法律上必須条件とされています。
さらに、消費者・業者間での紛争処理には、現実にはクーリングオフのように一方的な意思表示のみで法律関係を形成できる場合のみならず、相手方との交渉によって一定条件での決着ということで合意に達することにより問題解決を図る場合もあります。このような場合、
後日そのような合意は無かったと当事者の一方が言い出すことを防ぐため、合意書等の
作成までしておかなければ予防法務としては完全ではありません。
以上のように、一般消費者における業者との取引にまつわる問題を解決する場面でも、
その実態に即した各種契約書等の書面を作成しておくことは、法律的には実体上・手続上
ともに非常に重要なことであるといえるのです。 |