
|
 |
 |
抵当権をはじめとして、債権の担保のため、特定の不動産、動産を目的として当事者間の
契約で設定する物権を約定担保物権といい、抵当権以外にも根抵当権、質権、譲渡担保、
集合譲渡担保、仮登記担保等があります。
ところで、債権を担保する手段としては、他にも人的担保と呼ばれる「保証」という制度が
あります。つまり、“保証人を付ける”ということです。その中でも、とりわけ連帯保証という
方法は、いきなり保証人の一般財産に取立を仕掛けることが可能である等、債権者に
とってはかなり強力な担保方法であるため、実務上は、保証の中ではこの連帯保証を
用いる場合のほうが圧倒的に多いです。
では、これら保証人を付ける方法以外に抵当権等の担保物権を設定することには
どういうメリットがあるのでしょうか。
それは、まず (1) 債権者の立場からすれば、保証人の一般財産という不確定で変動の
大きな対象を担保とするより、不動産等の“物”を担保の対象とするほうがその客観的
価値もより確定的で、債権回収までの見通しが立て易いということです。
次に、(2) 物上保証人、すなわち物的担保を提供する側(=物上保証人。債務者とは
限らない)の立場からすれば、保証人のようにその一般財産全体に執行をかけられる
ことが無いため、「もし、抵当権を付けて財産を失うことになっても、この家だけだ」という
ような安心感が持てるところが挙げられます。
さらに、(3) 物権全般の特性として、人に対して一定の行為を請求できるのみである
債権と異なり、特定の物に対しての排他的かつ直接的支配権が物権でありますから、
その行使等も債権に比べればはるかに容易と言えます。つまり、より具体的に言えば、
保証人に対する支払い請求をする手間、保証人の資力が保証契約を結んだときから
低下した場合、あるいは保証人が逃げてしまった場合等を考えれば、債務者の支払が
滞ったときには、粛々と担保権実行の手続を行なうことのできる担保物権のほうが、
総合的にみて担保としての効果が絶大であるといえるということです! |
|
 |
そもそも契約は当事者同士の口約束でも成立するのが大原則であり、例えば、抵当権の
設定においてもその点は変わりません。しかし、債務者が支払いを行わない等で抵当権の
実行が必要な場合、通常は、裁判で確定判決を得てから行なうことになりますから、
その裁判で勝訴判決を得るためには抵当権の存在を証明する証拠が必要となります。
したがって、契約書の作成による証拠保存は必須と言えるでしょう!
また、抵当権設定契約の場合でも、公正証書による方法で契約書を作成していれば
確定判決と同様の効果がありますので、その方法による契約書の強化を図ることも
よいでしょう。
(注):抵当権の場合、もっぱら不動産がその対象となりますから、例えば、
物上保証人(抵当不動産を担保に提供した人)がその抵当目的物の
所有権を第三者に譲渡したような場合を想定し、第三者への対抗要件を
備えておくという意味では、契約書を作成しておくだけでなく、抵当権設定
の登記を行なうことも大事です。もちろん、この登記は対第三者という
意味でのものでありますので、そのような第三者がいない場合、抵当権を
実行すること自体は上述の確定判決か公正証書による契約があれば
可能です。 |
|
 |
・ 抵当権設定契約書
・ 代物弁済予約権付抵当権設定契約書
・ 根抵当権設定契約書
・ 動産譲渡担保設定契約書
・ 集合譲渡担保設定契約書
・ 質権設定契約書
・ 各担保物権の実行通知書
・ 抵当権消滅請求書 等々
※ 詳細は、当事務所までお気軽にお尋ね下さい! |
|